れんとう

まいにち なにか ひとつ

仮想化の思い出

1999年、遠い記憶

当時は、「仮想化」という言葉は、まだ、なかった。
エミュレータ」という言葉の方が一般的だったのでは、なかろうか。
そんな、1999年。窓の杜で、ある記事を読んで衝撃を受けたことは未だに鮮明に残っている。
探してみたら、当時の記事がまだ残っていた。

PCをエミュレートする「VMware for Windows NT and Windows 2000」v1.0
https://forest.watch.impress.co.jp/article/1999/09/07/vmware.html

エミュレータといえば、ゲームやRetroPCに用いるもの。
それが、PC/AT互換機がエミュレートできる?それってすごくない?
でも、ハードウェアパワーはだいぶ必要なんだろな?

PentiumⅢが1997年、Pentium4が2000年。
まだまだ、PentiumⅡやK6-233が現役だった時代。
RetoroPCのエミュレータでさえ、重い時代のことだ。
PC/AT互換機丸ごとエミュレートなんて、実用に耐えなくらい重たいんだろな。
でも、欲しいな、試してみたいな。

そう思ったのである。

2002年、初めての仮想化

え?このゲーム、Windows2000で動かないの?
これが全ての始まり、新しい技術は、ゲームと共に広まるのである。
当時、お気に入りだったゲームが、Windows2000では動かず、どうしてもWindows95の環境が欲しかった。かといって、そのために、実機を1台用意するのもなぁ。あ!エミュレータを使えばいいのか?
そんな時に、目に止まったのが、Bochsだった。

bochs: The Open Source IA-32 Emulation Project (Home Page)
https://bochs.sourceforge.io

なぜVMwareではないのかって?

VMware WorkStationは、この頃はまだ有料のソフト。
VMwarePlayerが無償リリースされるのは、2005年。
VirtualBoxがリリースされるのは、2007年。
KVMのリリースも2007年。
VirtualPCのリリースも2007年。

無償のエミュレータとしての選択肢は自ずと、Bochsになる。

結局、ゲームは動かなかったんだけど、Windows2000の中にWindows95の環境を作って遊ぶという、貴重か経験をした。
重たいなりに動くので、何かと重宝して、「エミュレータって便利だな」と考えるきっかけになった。もし、これがなかったら、この後、仮想化にハマることもなかったかもしれない。

2004年、やっぱり諦めることができなかった、あのゲーム

Bochsの導入から、2年後。やっぱりどうしても動かしたかったあのゲーム。
Bochsで動かないなら、VMwareなら動くかな?

前出の通り、2004年では、無償版のPlayerは存在しない。
なので、大枚叩いて購入したのは、VMwareWorkstation 4。3万円くらいした。
が、ゲームは動かなかったのである。

もうね、へこんだ。とてもへこんだ。

それより何より、この時代のPCは、まだまだ処理能力が低い。
だから、エミュレータの動きは遅いのである。

2007年、シンギュラリティ、intel VT、Core2、64bit

「仮想化」という言葉を使ったが、本当の「仮想化」は2007年頃からではないだろうか?
2005年頃から、CPUのDualCore化やIntel VTの搭載は進んではいた。それが、一気に花ひらくのが、2007年、Intel Core 2の登場である。

ここで再び振り返る。

VMwarePlayerが無償リリースされるのは、2005年。
VirtualBoxがリリースされるのは、2007年。
KVMのリリースも2007年。
VirtualPCのリリースも2007年。

そう、仮想化ソフトが急激に増えたのが2007年。なぜ?
検証したわけではないkが、同じ時代を生きた人間の実感と次のように考えている。

Intel VTの登場で、仮想化支援機能が強化されたこと。
本格的に複数Coreを搭載しつつ、高速化したこと。
CPUが64bit化することで、搭載メモリが4GBの壁を破ったこと。

これらが、仮想マシンをより快適に稼働させる環境を整えたのではないか?

やはり、この時期に起きている出来事がある。
2006年にはVMware Serverが、2008年にはESXi無償提供。

本来、データセンターで使うようなこんな製品を無償公開して誰が使うの?

「私です!」

そう、個人宅のPCでも動くから、評価や実用も兼ねて、仮想化の裾野はだいぶ広がったのではないかと予想している。

2011年、ここからは個人的な仮想化の歴史

20011年にも、実は、歴史的な出来事が起きている。そう、SandyBridgeシリーズの登場である。前世代のNehalemと比較して、格段に性能アップした、SandyBridgeである。

今はよく覚えていないんだが…なんとなく勢いで買った。
今回は、お金をいくら注ぎ込んでもいい、高スペックPCにしよう、そう決めて、Core i7 2700Kとメモリ16GBを買ってしまったのだ。
そして、なぜか、Linuxをインストールした。
なんでWindowsを入れなかったんだろう?ライセンスの関係かな?動作確認かな?

多分、ここがまた分岐点になる。

当時のKVMを使ってみようとしたのだが、正直なところ、よく理解できなかった。
うーん、難しい、でもそんなにお金かけたくないし、と探してみたら、VMware Serverが無償提供されていることを知る。
これも入れて遊んでみたんだが、これって、ベアメタルじゃなくてホスト型?
動きがもっさりしていたり、ホストのLinuxでapt upgradeするといきなり動かなくなったり、うん、正直、求めているものと違ったんだよね。

そこでまた色々と調べていくうちに、ESXiが無償公開されていることを知る。
バックアップ関連など、一部機能は限定されているけれど、個人宅で使う分には十分そうだし、それより何より、ベアメタル。ってことは早いんじゃない?

ということで、SandyBridgeにESXiを導入する。
ここから、VMWareと共に歩む10年になる。

2020年、新造艦の投入

最初に入れたESXiは5.0だった。
その後、ちまちまとバージョンアップしたり、メモリ増設したり、使い続けたSandyBridge。
巷では、SandyBridgeおじさん、というスラングも出てきたりしたけれど、当時の斎場グレードのCore i7で構築したことが幸いして、それなりに使えていた。
けれど、何しろ10年近く経ってしまった。色々と不便なことも出てくる。
ESXiのアップグレードも非対応になってくるし、なんとなく動作も重い。
そろそろ替え時かな?それが2020年のことだった。

ここで、新たに、ESXi専用機を新造する。

CometLake、Core i7 10700Kにメモリは64GB、ディスクも贅沢にのせて超パワーアップ!
ESXiも7.0にアップグレードして、ゲストOSとしてWindows10が対応した。
これから、多分、また10年?くらい?このESXiを使い続けるんだろうな?そう思ったのに、終焉は意外と早くやってくるのである。

2024年、まさかの無償提供終了

色々考えなききゃな?と思ってはいた。
ESXiの無償版が、TPM2.0に対応しない、つまり、Windows10のゲストをWindows11にアップグレードができない。
使用できるNICが決まっている。CometlakeもオンボードNICが使えずに、別途外付けしている。これが、もったいないなぁと常々思っていた。
あとは、バックアップ。スナップショットが好きでないので、完全バックアップをしていたのだが、何しろ、遅い!バックアップの取得もローカルにDLするのも、とにかく、重い!
それと、これは、個人的な感想ではあるが、やっぱり、ブラックボックスなのだ。
CUILinuxに似てはいるけれど、中身は完全にLinuxではない。Linuxなら簡単にできてしまうことがESXiではできない。でも、動きは似ているからもどかしい。

と、思いつつ、思い切ってESXiの有償ライセンス買おうか?KVMに戻ろうか?
いっそ、おうち仮想化はやめてしまおうか?結論を先延ばしにしているうちに、大時間が起きる。

2024年2月、ESXiの無償版、提供終了。

この頃仕事が忙しくて、最新動向を追えてなかった。慌てて調べる。ESXi8でもTPM2.0はサポートしていなかった。

そう、ここで、これから、ESXiの継続利用を諦めることにした。

2024年、迷走

ESXiをこのまま使い続けるのは無理だな、いつ使えなくなるかわからない。
そう考えて、次の行き先を考えてみた。

WindowsServerでHyper-V
いや、これはないな。WindowsServerのライセンスってなんか小難しいし。
ESXi以上に、提供終了やら仕様変更やら、大惨事が起きかねない。

KVM
これが選択肢としては、一番よさそうではある。コンバーターもあるっぽいし。
でもな、ゲストの管理用のスクリプトを自分で組んだり、ボリュームの設定したり、OSそのものも管理をしないといけない。これはこれで、なんかめんどくさいない。
でも、手組みの楽しさはある。

そんな中、調べていたら、Nutanixにぶち当たる。
んーでもなんかこれも違うんだよな。

なんか、今更、Xenに行くのも違うし。

と、ぐるぐるしているところに、知人から、あるキーワードが届く。

Proxmox VE

調べてみる。これだ!

Linux+KVMと各種管理ツール。
楽に運用できそうだし、なんだかんだ言って、中身はLinuxだ!オープンソースだ!
自由度は格段に高い!
これで決まりだな、ということで、導入を決める。

また、新しい、仮想化が始まる。

移行についてのお話は、また、別の機会に。